2009-01-01から1年間の記事一覧

吉村堅樹:運動会、傍観者として

10月になったというのに随分と蚊が多い気がする。 僕の体に脂がまわっておいしくなったのか、 やたらぷっくり咬まれている。 会社にいても、家にいても、もちろん公園にいてもだ。 雨のため、土曜日から日曜日に延びた小学校の運動会で、 ひとり離れたところ…

三冊屋がいい

青山ブックセンター本店で『三冊屋ブックワークショップ』というのがある。 三冊を組みにし、 三冊に関係線をひき、 三冊で読む 広い青山ブックセンターの中、 渡された青い買い物カゴをさげて、 ぶらりぶらり、 どんな本でもその中に自由に放り込んでいい。…

吉村堅樹:はぐれ人とわたし

夕暮れ時、交差点で信号を待っているとき 後ろを振り返ると打ちっぱなしの壁に 車椅子を寄せて、座っているおじいさんがいた。 車椅子の背もたれに杖をさし、うすねずみ色のハットを かぶって項垂れている。 ん?どうしたんだろう? 体調でも悪くなったのだ…

吉村堅樹:千夜千冊『スティグマの社会学』に触発されて

千夜千冊『スティグマの社会学』 いったんスティグマを烙印された者には「日陰」がちゃんと用意されていて、 そこに参入させられると、「日陰者」は他のスティグマの持ち主と 十把一からげに扱われることにもなる。 ゴッフマンはしたがって、スティグマは自…

【月読】月を見ずとも月夜なり

湿気と埃をはらんだ風が顔にふきつけて、 目元にやにばかりをためる。 上を見上げてもどうもお月さまは見えない。 こんなことばかりを東京にきてからは繰り返している気がする。 今日は9月1日。 月初になると『ルナティックス』、その月のものをひとつずつ…

『日本の失敗』僕の失敗

吉田拓郎は「この国ときたら 賭けるものなどないさ」と歌い 「くだらない世の中だ しょんべんかけてやろう」とブルーハーツは歌う。 そんな国ニッポンというのが、気づいたら僕の認識になっていた。 もし自分はそんなことを思っていないという人がいたとして…

吉村堅樹:8月の焼けた砂 そこに語り部がいた

8月になった。 8月は戦争の季節、戦争を思い出す季節だ。 いまもNHKの深夜では毎日 『兵士たちの証言』という特集をしている。 年々、証言者が少なくなる中で、 戦争の体験を生々しく語れる語り部の存在は ますます希少に貴重になっていくのだろう。 こ…

吉村堅樹:『美』に関する番組の構成について

『美の巨人たち』を撮りだめしておいたのを見た。 今年の3月の分も入っていたからずいぶんと古いのもある。 アングルの『ヴィーナス』と中川一政の『薔薇』、円山応挙の『大乗寺襖絵図』であった。 『美の巨人たち』の番組構成というのは、バラエティー的な…

吉村堅樹:玉子焼き

巨人・大鵬・玉子焼きなどと、 さすがに僕が物心がついたときには もはや言われていなかったが、 弁当にはいる定番としてはいつも玉子焼きがはいっていて、 こんなものはどこがうまいのだと、 当時の傲慢な子供としての僕はそんなふうに思っていた。 そんな…

吉村堅樹:雑草を抜く

家の前に雑草が生い茂っていた。 抜かなくてもいいといえばいいのだが、 やはり気になるので、いつか抜こうと思っていて、 今日、買い物に出ようと外に出たときに抜いてみた。 こういうのは抜き始めると気になるもので、 ついついしつこくやってしまう。 性…

吉村堅樹:やさしさに包まれたなら

小さい頃は 神様がいて 不思議に夢を かなえてくれた やさしい気持ちで 目覚めた朝は 大人になっても 奇蹟は起こるよ カーテンを開いて 静かな木漏れ陽の やさしさに包まれたなら きっと 目に写る全てのことは メッセージ 土曜日に友人の結婚式があって、 式…

6月25日木曜日

帰り道、新宿駅西口で 大川隆法が選挙カーの上で金切り声をあげていた。 ビラを配る選挙員。 選挙員に限ったことではなく、 大いにこれは僕の弱さでもあるのだが、 あのビラを受け取らないと少し申し訳ない気分になる。 なんせ、あの選挙員はどこかしら 交際…

フラジャイルな右肩

金曜日の晩から突如として右肩の関節まわりが痛み出した。 正確に言うと金曜日の朝に目覚めたときから違和感はあった。 変な寝方をして肩が凝ったか、筋が違ったのかと思っていた。 ぐりぐりと前に後ろに幾度となく肩をまわし、 自分でやったり、ひとに頼ん…

敗北者宣言

僕には10歳の子供がいるのだが、 子供をつくるということは、 どこかしら人生の敗北者宣言であるように思う。 こういうことをいうと、 子供がいる人からは反感を、 子供がいない人からは共感を、 いやまたはその逆もあるかもしれないが。 埴谷雄高は、 「人…

吉村堅樹:雑念のことを考える

去年あたりから考えていることに 『雑念』をいかに遠ざけるかということがある。 『雑念』は不安や逃避、後悔や憎悪、煩悶や嫉妬などといった さまざまな形をとって現れるのだが、 そのどれといって冷静な観察対象とはなりがたいもので、 厄介なものである。…

月三景

夕暮れの月は 宇宙船 おいてけぼりの さびしさに 胸がきゅうんとつまります 薄暮の月が ずいぶんと高く はしごに赤錆 ひねり包帯 まっすぐ月にかけましょか それでもどうにも届きそうもないが はしごをのぼる ぼくの気持ちは なんだか妙にわくわくしている …

吉村堅樹:雪がふる、小屋に

そこは訪れたことはないとしても ロシアの静かな湖のそばに立つ小屋には 今日も雪が降り積もっているのだろう その雪のことは どうも気がかりだ よくわからないだけに ずいぶんと気がかりなのだ なにせ小屋は僕の中に建っているらしい 雪かきをしよう 雪だる…

有朋自遠方来 不亦楽乎

子曰、 「学而時習之 不亦説乎 有朋自遠方来 不亦楽乎 人不知而不慍 不亦君子乎」 子曰はく、 「学びて時に之を習ふ 亦説ばしからずや 朋有り遠方より来たる 亦楽しからずや 人知らずして慍みず 亦君子ならずや」 『論語』孔子より サイパンから友人が帰国し…

陳腐さに対する戒め

今日、NEWS ZEROの特集コーナーを見ていた。 キャスターがユーミンにインタビューをしていて、 「これからの目標は何ですか?」といった質問をした。 そこではっとしたのだが、 それと同じようなシチュエーションを2つ思い出したのだ。 ひとつは、僕自身の…

『邪宗門』に悪戦苦闘

邪宗門を800文字で人に伝えるということをやってみよう。 これをここ数日ずっと取り組んでいたのですが、 観念の檻をやぶることがまたもできませんでした。 無念。。 最初のもの。もうぐだぐだです。 □□□□■□□□□■□□□□■□□□□■ <邪宗>の<邪>であった。15年前…

文章を書く

今、僕は文章を書いている。 実は約束をしたから書いている。 ちょっとしたゲームをしているから 書いているという他愛もないことなのだが、 やり始めてみるとこれがなかなか書けない。 書けたとしてもつまらない。 つまらないから書きたくなくなる。 なんて…

死んでしまえの思想

自分が一旦死んでしまうのですね。 一旦死んでしまうと、 いろんな形の亡霊が死者の目の前に踊りだすわけですね。 生きるということは、 本質的に自分を中心にものを考えることでしょうし、 自分をものの中心に考えることが行為になれば、 そこに多少の妥協…

桜の樹の下に

夕陽がおちる 川端は 桜も滲み 黒梯子 ソメイヨシノの その下で ぽたりぽたりと 牡丹雪 なぜかまさかの 牡丹雪 はてはなにかと 見上げれば ちちりちちりと 黄緑色の 跳ね毛くせ毛の 極楽鳥 その名も ワカケホンセイインコ その名も 輪掛本青鸚哥 世田谷あた…

吉村堅樹:つながったり美しかったりする

科学館の恐竜展にて 関節はつながろうとしている。 骨は関節しようとしている。 原生生物の美しさに目を奪われる。 ちょうちょ 吉村堅樹:

おばあちゃんとわたし

清の事を話すのを忘れていた。 ――おれが東京へ着いて下宿へも行かず、革鞄を提げたまま、 清や帰ったよと飛び込んだら、 あら坊っちゃん、よくまあ、早く帰って来て下さったと 涙をぽたぽたと落した。 おれもあまり嬉しかったから、 もう田舎へは行かない、…

吉村堅樹:まっくらてん

会社のある高円寺や自宅のある下井草にあった ららマートが数ヶ月前、突然つぶれた。 つぶれる前日に大安売りをしていたらしいのですが、 僕は実際には見ていないので、 どれくらい安かったのかは知りません。 数ヶ月前と書きましたが、去年の11月だったよう…

いしなづけ

線野小豆 ラズベリーナ ひなだるま ももあざらし 空豆大二郎 流れ王子 トラホーム

夢一夜

二つ夢を見たのだが、ひとつしか覚えていない。 夢は書き取ろうといつも思うのだが、 書き取っているうちに目がはっきりくっきり覚めてしまい、 書き取った後には寝ようにも寝られないのがちと辛い。 こんな夢をみた。 グループが暴力団に襲撃をされた。 あ…

現代のシャーマン

以前にもブログで書いていたのだが http://d.hatena.ne.jp/kenjuman/20080921 1月7日にエリーさんhttp://psy-say.comのカウンセリングを再び受けた。 なんで2回も受けてるんだと思われてしまうかもしれないが、 この前に受けたときには短縮版だったというこ…

「育てる」ことはできない

ビジネス書でよく見るのが、部下を育てるにはどうすればいいのか といった類のものだ。 部下がいるような立場になってから、そういった本が気になりだした。 気になるというのは、うまく育てられていないと思っているからで、 読んでみたらうまくいくかとい…