月三景

夕暮れの月は
宇宙船
おいてけぼりの
さびしさに
胸がきゅうんとつまります


薄暮の月が
ずいぶんと高く
はしごに赤錆
ひねり包帯
まっすぐ月にかけましょか
それでもどうにも届きそうもないが
はしごをのぼる
ぼくの気持ちは
なんだか妙にわくわくしている


夜更の月にスポットライト
じっとみてると
落ちてくる
ゆっくりゆっくり落ちてくる
みえない左手
そっとさしだし
しばらくぼんやりながめてた