吉村堅樹:2010.01.02(水)

元日の夜が満月。
月は斜めに低くあり、
虎のような雲がかかっていた。
意匠のごとし。
墨流しの月が美しい。


自転車に乗りながら、
急に思い出して、
太宰の『津軽』の話をする。
子守だった越野タケとの再会では、
どうも胸が詰まる。
『坊ちゃん』のキヨとか
その手には弱い。
「抜け殻」といった言葉が頭にうかぶ。


 初夢に 古郷を見て 涙哉
          一茶


持ち帰った仕事をしつつ、酒を飲む。
翌朝、軽く仕事をしてから、
御霊神社に初詣。二度目だが。
神棚におさめる組札を買う。
三日の厄払いを予約して帰宅。
ここまでで午前十時。吉村堅樹: