『情報選択の時代』選択、訓練、伝達の時代

リチャード・ワーマン著 松岡正剛訳『情報選択の時代』。
情報の洪水などという言葉は、
すでに僕が子供のころから使われていたが、
それにどう対応するのかは知らなかった。
目を閉じて、耳に栓をすること以外は。

情報でない情報の爆発
理解ビジネス
会話
言語=バベルの塔、誘惑、内容
理解の領域にしかけられた地雷
学習とは何がおもしろいかに気づくこと
教育によって学習させるのは、団体旅行客が冒険の旅に出るほど難しい
理解したものを土台にしてしか学習は起こらない
失敗、失敗、失敗…それでもなお
低脂肪情報によるダイエット
ニュース情報=書き殴りの壁新聞
文化情報=個人的な視点
参照情報=人間の認識能力という地図
テクノマニア=商品としての情報
情報不安症への処方箋

『情報選択の時代』は情報をいかに選択し、訓練し、伝達するのかを教えてくれる。
能動的な選択をするには、
無知を受容する、無知であることを喜べばいい。


問いに注意を向ける。
出発点(origin)にこそ独創性(originarity)がある。


多くの視点をもつ。
隙間、スペースを意識し、反対側からの視点をもつ。


そして義務ではなく興味があるものにアクセスをする。
選択肢はできるだけ少なく、自分だけの目次をつくり、
純化を試みる。


訓練するなら、
日常での不要な埋め草言葉を排除し、
新しい名前を発明しよう。
自分の言葉、相手の言葉に注意を向けてみる。


特定の人に指示をだすときに、新鮮な項目があった。
何が間違いかを指し示すということだ。
時間やゴール、適切な問い、ここまでは多くのビジネス書にも
書かれているのではないだろうか。
どうしたら間違いなのか指し示す。
面白い試みだと思う。


そして最後、伝達に必要なものは物語である。
ここまで読んでくれた人には、何かとの一致に気づくひともいるのではないだろうか。
そう“intelligent agent"と呼ばれる人にとって、
『情報選択の時代』は原点ともいえる本であり、
出発点でもあり、確信を得る本でもある。
その人に応じていくつもの顔を見せてくれる魅力的な一冊であると思う。