『フォーカス・リーディング』アンチ・フォトリーディング?

kenjuman2008-09-03

右脳を使って読む?
潜在意識に入れる?
そんなの本当にできてると思ってるの?


本をいっぱい読んだら、それだけ自分の能力がアップするって、
そんなわけないでしょ。


フォトリーディングでは当たり前のように言われていることに対して、
おお、こりゃ勝間さんによって火がついたフォトリーディングに喧嘩売ってるんですな
と思ってしまうような言葉がのっけから飛び出す。

○理論編
第1講 あなたがはまりがちな“読書のワナ”
1.「要領のいい読書」と「勘違い系の読書」とは?
2.本を読むと思考力が衰える?
3.わかったつもりが成長のジャマをする
4.たくさん読むから悪くなる
5.オススメ本には安易に手を出すな!
6.「がんばって読もう」と思うと本は頭に入らない >立ち読みする(pdf)
第2講 読書に何を求めるのかをはっきりさせる
1.読書の目的を明確にする
2.リターンを最大化する読み方を考える
3.リターンは二系統を意識しよう
4.TPOを踏まえた読書を目指せ!

○鍛錬編
第1講 速読は体育会系のノリで身につける
1.反復練習なしに速読術は身につかない
2.目と意識とフォーカスをコントロールする >立ち読みする(pdf)
3.達人へと至る三つのステージ
4.体育会系メソッド五つの原則
第2講 「体」を極める
1.本は立って読め、さもなくば正座だ!
2.呼吸を感じ続ける
3.目は前に、心は後ろに
4.「見る」を極める
5.フォーカスを変えよう
6.「読めた」⇔「読めなかった」の間をつかむ
7.文字はやわらかく包みこめ
第3講 「技」を極める
1.理解度をシフトしよう
2.トップダウンでつなごう
3.擬似的な速読で感覚を磨こう
4.スキミングとスキャニングを駆使しよう >立ち読みする(pdf)
第4講 「心」を極める
1.「速さ」の価値を高めよう
2.二つの△を書いてみよう
3.TPOで攻略しよう
4.アンテナと受け皿を育てよう
5.「一冊一〇分を完成させよう

実践編 最終講義 フォーカスの力を最大限引き出す読書術
1.戦略的に“積ん読”しよう
2.「その先」を見極めよう
3.重ね読みで「体」を磨こう
4.無駄なメモは取るな、線と付箋で十分だ
5.名文の筆者で言葉を磨こう
6.耳からの読書で言葉をインストールしよう
7.成長志向で読書を楽しもう

『フォーカス・リーディング』は、
決してアンチ・フォトリーディングではなく、
フォトリーディングではおざなりにされていた部分を強化し、補足するような一冊になっていると思う。


能の“目前心後”という言葉で表されている
目の力みを抜き、自分の後ろに目があってそこから見ているように意識をする。
そして読書の目的“フォーカス”を決めるという考え方は
フォトリーディングに通じるものがある。


この『フォーカス・リーディング』の真にユニークなところは、
読書を武道やスポーツなどと同じ鍛錬ととらえ、
目の動かし方、視点の意識の仕方などを付録のシートを使い練習をするというところ。


またショーペンハウエルが言っているように多読は必ずしも自分のプラスになるわけではない。
そこから得たことで思索を深めることが重要であることを力説しているところ。
フォトリーディングでは力点が置かれていない部分であり、フォトリーディングを受講した人が不満や不安に感じる部分がフォローされているといえば言いすぎだろうか。


僕はしばらく、このシートを使って目の動かし方を練習してみるつもりだ。