かあさんグローバルシステム

kenjuman2008-08-08

昨日打ち合わせでいった代理店の窓から外を見たときに、目に入ってきたのが、この看板。
かあさんグローバルシステムって。。


東京にいる人は“かあさん”という居酒屋があるのはご存知の人もいるのではないだろうか?
新宿の歌舞伎町や虎ノ門で僕は見たことがあるのだが、
歌舞伎町では一度飲ませていただきました。


中に入れば、まあそれはそれで“かあさん”ではある。
“かあさん”がつくりそうなお惣菜はあるし、
“かあさん”と呼んで差し支えなさそうなかたが給仕をしている。
でも特別“かあさん”っぽいサービスをしてくれるわけではない。
「野菜残さずたべなさい」と言われたりとか、
箸のもちかたを注意されたりとか、
ましてや“かあさん”の膝枕で耳かきとかはないわけで、
健全?な居酒屋サービスを行っているわけである。


しかし、この“かあさん”のすごいところは、その中身ではない。
かあさんはあの歌舞伎町の黒人のポン引きや、
ホストのお兄ちゃんにまぎれながら、靖国通りの真ん中で
「いまならビールが安いよ」「にいちゃんたち何人?」「今ならすぐ入れる」
とかいってかなり有無を言わせない感じで“かあさん”に送り込んでしまう。
凄腕の客引きなのだ。


現に僕はどこで飲もうかなあなんて迷っていたときに、
“かあさん”に声をかけられ、
まんまとその口車にのって“かあさん”に入ってしまったわけで。


虎ノ門でもどこかいいところないかなあと迷っていたら
気づけばそこに“かあさん”!
「おにいちゃんなんにん?」
まだはいるともなんとも言ってないのに、いきなり。
そのあともまごまごして言いよどんでいると、
「なんにん?」
「いやあの、、」
「いいからなんにんなの?」
「えーとさんにんですけども」
「さんにんね。さんにんだったらいまいけるから」
「まだその、、」
「いいからいいから」
ととんとん拍子の話のもっていきかたなのである。


そのときは連れに救われて、
“かあさん”にはいることはなかったのだが、
連れが気の弱いひとだったら確実に“かあさん”の餌食になっていただろう。
恐るべし“かあさん”なのである。


かあさんグローバルシステム!
こんなすごい“かあさん”が、
いまや世界各国で量産されていて、
オランダやブラジルの街角で
僕のような気の弱い男を“かあさん”に送り込んでいることを想像すると
面白いやらおそろしいやら
不思議なおとぎ話みたいでちょっとわくわくしてくる。


“かあさん”は人件費も安いし、人生経験も豊富。
客引きも給仕も料理もつくれる。
この“かあさん”に目をつけるとは、
かあさんグローバルシステム恐るべしである。