『バックドロップクルディスタン』映画を撮るという資質

kenjuman2008-07-25

『バックドロップクルディスタン』をポレポレ東中野で見た。
原一男監督トークショーもあり、原監督とのHPに関する打ち合わせもあって、観にいかせていただいたのだが楽しめた。

野本監督のわきの甘さみたいなものは原監督のブログhttp://docudocu.jp/back.php?view=back&fd=&no=63で指摘されているので確認していただきたいが、
それでも閉塞した内向的な映画が多い中、彼が強制国外退去させられたクルド人を追って、トルコに飛んだということは大いに評価できるのではないかと思う。

野本監督はクルド人家族に会い、『バックドロップクルディスタン』という映画をものにし、セレンディピティを作品という形に昇華した。
次回作に話が及んだとき、原監督とのトークショーのなかで今度の作品では「向き合いたくないものと向き合うという映画を企画中である」ということを話されていた。
『バックドロップクルディスタン』という映画は野本監督が“トルコに飛んだ”ということが、何よりも素晴らしい映画を撮るという野本監督の資質を確認させてくれたわけだが、次回作も野本監督の中でこの軽やかさという才能だけは忘れないでほしいと思う。