質問者の心

小林秀雄の講演CDを購入した。
CDに封入されていたリーフレットの中の一節で、「たとへば、“自分はどう生活したらよいでせうか”と質問するやうな者は、問題をだしてゐない人でせう。これは一体、人に問ふべきことであるのか、黙って自分で考へるべきことではないか。質問は承りますよ。しかし、うまく質問してください」というのがあった。

これを見て、果たして僕は良き質問者たれているのかと自問自答する。
原一男監督のCINEMA塾に参加したときの僕は質問魔であった。いや、講演者をぎゅうと言わせてやろうと企んでいる厄介者であったかもしれない。原一男監督は僕のそのような様子をみて大いに喜んでいたようには見えたが。

最近セミナーに出席することが多いのだが、そのときに質問が浮かばない、もしくは質問が浮かんだとしてもその質問がgood question いやgreat questionになっていないもの、自答すれば答えがでるのではないかという質問しか浮かばず失語症になっていたりする自分がいる。

未知の分野や、社会にでてみれば所詮その程度である。

自答して、自答して、その後にでてくる応答者が光るような質問を発してみたいものである。