生まれてはじめて

鳥の糞がジャストミートで命中した。顔面から上着、そしてジーンズにいたるまで糞がかかり、上着はその中でもべっとりと糞がついて、ゴミ箱に捨てた。

いつも通る道が工事をしていて、仕方なく迂回したところ見事に命中したわけで。
でもその命中したときにまわりに人がいなかったので特に恥ずかしい思いをすることもなかったので、ぜんぜん腹が立たなかった。逆に糞がかかった自分がおかしくもあり、ラッキーでもあるような気さえしてきた。

糞がかかったとき、頭上で小鳥の鳴く声が聞こえた。だから糞をかけたのはカラスではないと思う。見回してみたが、鳥の姿を見つけることができなかった。見つけることができなかったというのは正確な表現ではなくて、鳥が僕の姿をみて微笑ましく笑っているような気がして、照れくさくて鳥を探せなかった。