吉村堅樹:2010.01.09(土)

吉村堅樹:東京自由大学のカント講義に行く。
ほぼ老人なり。


純粋理性批判
実践理性批判
判断力批判』の三批判書と
『単なる理性の限界内での宗教』に限定し、
カントの哲学に及ぼした重要な転換点について。


1.実践理性(狭義の理性、ratio)が純粋理性(悟性、知性、intellectus)
 に対し、優位である。


2.悟性の範疇において、感性の経験を認識する、形象化する「構想力」
 というものがアプリオリ(先験的)に備わっている。
 アリストテレスの「共通感覚」に近い。


3.真善美。
 真理を探究する悟性
 善を求める狭義の理性
 これを美を探究する判断力によって統合する。
 
 判断力の分類
 ・規定的判断力
   悟性の原則による判断力であり、普遍に特殊を包摂する。


 ・反省的判断力
   特殊から普遍を見出し、普遍を特殊に適用する能力。
    a.美的判断力
     快不快の感情によって主観的に判断する能力
    b.目的論的判断力
     合目的性を悟性と理性によって客観的に判断する能力
   
 ホワイトヘッドのfeeling(感じ)を中心とした有機体の哲学に通じる


4.道徳法則と自由の密接な関係
  自由は道徳法則の存在依拠であり、道徳法則は自由の存在依拠である。
  ピッカピカでないといけないカント
  →宮澤賢治への影響