『インナーゲーム』心の声に耳を傾けないで

kenjuman2008-07-28

技術的な<アウターゲーム>ではなく、内面的な<インナーゲーム>をいかに制するか、あらゆる集中が必要な局面で有効な内容だと思う。

第1章 テニスのメンタル面の考察
・一生懸命やればやるほど下手になる/プレーヤーの悩み
・筋肉は言葉のレッスンを翻訳できない/テニス・レッスンの現実
・自分を忘れ去った時こそ、ベストの力/無我夢中の状態とは

第2章 2人の自分の発見
・セルフ1は口やかましい上司に似ている/自分と自身
・信頼されなければセルフ2は緊張する/セルフ1とセルフ2の関係
・当たらないなら、フレームで打ってみよう/頑張ることは美徳か

第3章 セルフ1を静かにさせる
・子供のような心こそ、精神集中の原点だ/自我と集中
・いい悪いと判断するから、感覚が鈍るのだ/裁判癖をなくす
・自分の欠点は、知っていても見たくない?/自然修得力の発見
・「正しい打ち方」を自分の基準にしないこと/現実を感じ取る
・いいイメージを持て、の心理学も実は手品だ/ポジティブ思考の弊害

第4章 セルフ2を信頼する
・セルフ2は筋肉ではなく、本能の集積体だ/セルフ2の機能
・不要な筋肉をONにするから、力んで負ける/自分自身を信頼する
・ノイズのない「生データ」を体内に記憶する/自身に任せる
・命令せずに、やってくれないか、と頼むこと/セルフ2との会話
・何をして欲しいか、目的をイメージする/結果を依頼する
・自然発生のレット・イット・ハプン法/フォームを依頼する
・観察し続けると、変化が自然に起きてくる/LETとMAKE
・俳優になって、サーブの表情を演じてみよう/自分の殻を打ち破る

第5章 テクニックの発見
・カバの母さん賢い母さん、教えずに泳がせる/本能の引き出し方
・言葉は真実を表現できない?/技術レッスンの源流
・自習能力を引き出すヒントが技術レッスンだ/レッスンの活用法
・「正しい技術」は永遠に正しいわけではない/グランド・ストローク
グリップ・フットワーク
ストロークのチェック・リスト例
・自分のサーブの部分部分を感じ取ってみる/サーブ
〜意識を集中するポイント例
・パーム・ダウンの時間差サーブを実験する/パワー
・プロの全体像を吸収して、真似させる遊び/プロを観る
ストローク

第6章 習慣を変える
・旧い習慣を捨てるには、交代選手を送り込め/習慣の代替
・歯を食い縛るから、昔の傷が捨てられない/レコードの溝
・これが、ストロークの習慣を変える実践例だ/4段階で変える
 STEP1 新鮮な気持ちで観察して、変えたい箇所を見つける
 STEP2 望む結果の具体的な画像を制作する
 STEP3 セルフ2を信じさせる
 STEP4 変化と結果を、「無判断」で観察する
 まとめ・従来の習得方法と、インナー・ゲームとの相違点
・頑張ったぞ!の自己満足に騙されるな/セルフ1は復活する・リラックスしろ!は無理難題の違法命令だ/ヒーローはセルフ2

第7章 集中方法を学ぶ
・「今、ここに」自分の注意力を集中させる/集中と雑念
・縫い目のパターンに目と心を奪われてみる/ボールをよく見る
・バウンドの度に「バウンス」と叫んでみる/バウンス・ヒット
・ボールの音に集中し、体に記憶を蓄積する/ボールを聴く
・ラケット軌道に意識を集中して、感じ取る/感覚=フィーリング
・意識という光の焦点を絞り込むのが集中力/集中力の理論
・「たれ、れば」が呼び起こす恐怖と雑念/今、ここで
・ポイント間では呼吸に焦点を/試合中の精神集中
フィル・ジャクソンのNBA哲学と真理/異次元のセルフ2
・「今、ここで」をフル体験で愉しみたい/集中の途切れ

第8章 コート上の人間ゲーム
・本当は何が目的でテニスをするのか、大研究/3種類のゲーム
〜ゲームの種類
・人間の価値はテニスの上手下手で決まるのか/競争社会と上達志向
・0−6、0−6で、私は何を失うだろうか/真に価値ある勝利

第9章 競技の意味
・セルフ2に潜む、勝利を求める強烈な動機/未知の自分との遭遇
・障害を与え合い、相互のベストを引き出す/競争の真価

第10章 コート外のインナー・ゲーム
・ストレスを生むのは、現状への執着心だ/外から内へ
・自分を改善する必要は、元来はないはずだ/内側の安定性の築き方
・絶対値の自分自身と出逢うときがいつかくる/インナー・ゴール
・外側への挑戦から、人類は内側への探求へ/これから

口うるさいセルフ1を押し込め、本来能力をもつ自己であるセルフ2を信頼しよう。
視覚、感覚を感情をはさまず、判断をせず、明確にイメージをし、あるがままを認め、リラックスし集中している状態を保とう。
良きイメージを観察し、画像として記憶し、そのイメージを信頼する、そしてまた結果を観察する。
言葉ではなく、自然に習得をする。


セルフ1の声は頭の中で聞くとき、混乱の対象になる。これが言語として音声や文字として表出したときには、逆に集中の糧になる。
頭の中の声を聞くしかない状況のとき、セルフ1を封じ込めることは、集中のひとつのステップとして有用であると感じた。